名護市役所を見てきた

今月の頭に沖縄に行ってきました。九州よりも湿度が低くて過ごしやすく、暑さの要因は気温ではなく湿度によるところが大きいと思った次第です。 せっかくなので沖縄にある名建築物を見に行こうと思いたち、那覇から1時間ほどかけて名護市役所に行ってきました。

入り口は普通の役所のように見えますが、全景をみるとその佇まいに驚きます。

遺跡のようなこの建物。1981年に象設計集団とアトリエモビルという建築家グループによって建てられました。ブロックで構成された外周部には『アサギテラス』と呼ばれる市民コミュニケーションの場が設けられています。

現在アサギテラスには業務用の備品が置いてあったり、ぶらぶら散歩する用スペースとして使われてるようでした。湿度が低くて過ごしやすいとは言えまあ暑いですから、屋外で休む気持ちにはならないでしょうな。

海側の側面にはシーサーが設置されています。

このシーサーたち、沖縄県のシーサー職人がそれぞれ作ったらしく各々の姿が違っています。市庁舎全体は赤・白のブロックで構成されていて圧倒的な統一感がありますが、上述のシーサーと、床埋込式の作品は個々の製作者の意匠がしっかりと出てます。こういうの良いですね。

35年以上の歴史は様々なところに変化をもたらしています。元々は冷房の無い施設として作られた名護市役所。館内を冷やすため、天井部に風の通り道が作られています。

海側から風を取り込み、冷えた空気を館内に回すこの仕組み。現在ではお役御免になったものの、よく考えられてるなと。

蛍光灯の設置箇所は柱がせり出ていて天井ちょっと下から光が拡散するようになっています。これの効果だと思うのですが、風の道や天井のスピーカーがあまり目立ちません。

建物は三階建てになっていて、陸側の階段から一気に3階まで登ることができます。

エレベーターは建物の中心部に備えてありますが、エレベーター横に目立つ感じのスロープがついてます。これもかなり特徴的。

このスロープは人だけではなく、郵便局のバイクが登れるように作ってあると聞いたことがあるんですが、流石に原付きが走っている姿は見かけませんでした。3階まであがると議場がありますが、そのへんを散歩しているといきなり緑が現れます。

その先まで行くと側溝が水槽みたいになってます。自由だ。

3階からの見晴らしも素晴らしい。

変える道すがらアサギテラスを見上げたらちょっとおもしろい趣向を見つけました。

採光用の枠には色ガラスが使われています。どうやら琉球ガラスがはめ込まれているらしいです。

建物を一通り見回りましたが、色んな部分で細かな細工が施してあり建築物好きにはオススメできる場所です。この建物を見た時の得も言えぬ感覚、日経アーキテクチュアの記事を見るとなお楽しめる気がします。美ら海水族館に行く途中にあるので是非行ってみてください。

style.nikkei.com


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