QGISの機能を思い出す(マージ・クリップ)
ここ数年商用GISばかり使っててQGISから離れていたのでちょこちょこリハビリ記事を書いていきます。
レイヤーの統合(マージ)
国土数値情報の地価公示は都道府県ごとに切り分けられていますが、広域で解析するために全部一つのレイヤーにまとめます。ArcGIS のマージ処理ですが、QGISにも同じ機能が備わっています。 とりあえず地価公示情報をダウンロードしてZIPを解凍し、シェープファイルをQGIS上に読み込みましょう。
上記の図では3つのレイヤーに分かれてます。
データ管理ツールの「ベクタレイヤーのマージ」を選択して。
「入力レイヤーの選択」でマージ処理したいレイヤーを選択します。
出力レイヤーの名前をつけて「実行」
出力ファイル名の部分に名前を打ち込むとエラーになるので、エクスプローラーを開いてフォルダとファイル名を指定しましょう。QGISでのファイル生成でよくハマる部分です。
これで地価公示の情報が一つのレイヤーにまとまります。福岡、佐賀、熊本の情報を一枚のレイヤーで管理できます。
レイヤーの抽出(クリップ)
統合の逆操作として空間条件による抽出をやってみます。国土数値情報から行政界のポリゴンを取得し、熊本市中央区のみの地価公示データを作成します。 行政界を呼び出すと下図のような状態になりますね。
見やすいようにシンボルの色合いを変えました。フィーチャの選択(シングルクリックによる地物選択)を使って熊本市中央区を選びます。
この状態から「選択箇所のみのクリップ」を行います。ベクタメニューのクリップを呼び出して
入力レイヤーに地価公示のポイントを、オーバーレイレイヤーに切り抜きたい範囲のポリゴンを入力します。今回の場合、後者は熊本市中央区のポリゴンです。「選択した地物のみ」にチェックを入れることで「シングルクリックによる地物選択」で選んだ箇所だけを対象とすることができます。後は出力ファイル名を設定して実行を押すだけ。
これで中央区のみの地価公示ポイントを抽出することができました。
ArcGISとの違い
ArcGIS(ArcMap)では標準で選択した箇所のみを処理対象にします。これは慣れている人は悩まないものの、初学者はよくハマるポイントです。QGISのオプションで指定する形のほうがわかりやすいですね。